1)病気の原因
カイロでは、病気の原因は主に脊椎のサブラクセイ
ション(微妙な骨格のズレ)にあるとされ、それが神経を圧迫して、各器官の機能を低下させると考えています。そのような状態は、神経が正常
に機能しないため、脳からのイネイト(先天的知能=自然治癒力)が、身体各部に上手く伝達され
ず病気になるというのです。つまり、カイロプラクティックとは、神経の圧迫を引き起こしている椎骨(背骨)のズレを、手によって正常な位置に戻すことで神
経の圧迫を解放し、脳から送られる先天的知能を十分に機能させる治療法なのです。
2)治療の焦点と理論
カイロでは矯正はサブラクセイションのある部位、即ち悪い部分のみを行うのですが、一方、整体では悪い部分も正常な部
分も調整し、さらに脊椎だけでなく必要に応じて全身の骨格や筋肉を矯正することによって、全身の血液循環を調整するの
です。
骨格の歪みによって病気が起こるという考え方は、整体もカイロも基本的には変わりませんが、カイロは神経に焦点を置い
ているのに対し、整体では血管に焦点を置いているので治療の理論は違ってきます。
カイロプラクティックでは特定の病気や症状を治すという考えはありません。患者さんの自然治癒力を低下させている椎骨のズレを探し出して、ただそれを矯正
し、あとは患者さんの自然治癒力が正常に機能するのを待つだけです。ですから腰が痛いからといって腰を揉んだりボキッと矯正するわけではないのです。また
一般的にカイロプラクティックは曲がった背骨や骨盤を矯正して真直ぐにするというイメージがありますが実際は少し違います。いわゆる骨のズレを正して整列
させるのが目的ではなく、関節の可動性を回復させ機能を正常化するために矯正するのです。
つ
まりズレていても正常に動く関節は矯正する必要はありません。原因となるところをピンポイントで矯正すれば後は自動的に他の曲がっているところも結果とし
て真直ぐになってきます。もちろん関節が変性したりしていれば真直ぐにはなりません。関節自体が変形したり癒着をおこしているようなところを無理に矯正し
ようとすれば骨折します。逆にズレていても正常に動いている関節に力を加えて動かせば、可動性亢進となりかえって靭帯が緩んで不安定になります。それをボ
キボキなって気持ちいいからといって定期的に繰り返していたら、そこが原因となって別の問題がでてきてしまう可能性があります。
3)カイロプラクティックの種類(スタイル)
初期には背骨の矯正しか行わなかったカイロプラクティックも今では、前述したように様々なテクニックが開発され、脊椎にとどまらず頭蓋骨の矯正や、内臓の
治療まで行うようになりました。
主なテクニックとして次のようなものがあります。
1.ディバーシファイド・テクニック
2.ターグル・リコイル・テクニック(B.J.Palmer)
3.ガンステッド・テクニック(Clarance Ganstead)
4.トムソン・テクニック(Clay Thompson)
5.ローガン・ベイシック・テクニック(Hugh B.Logan)
6.アクチベーター・テクニック(W.C.Lee, Arlan.W.Fuhr)
7.ピアース・スティルワーゲン・テクニック(Vernon Pierce, G.Stillwagon)
8.アプライド・キネシオロジー(A.K; George J. Goodheart)
9.仙骨後頭骨テクニック(SOT; Major Bertland DeJarnette)
10.軟部組織整形外科学(STO;Mervin Lloyd Rees)
日本に伝わってきた当初行われていたのは、ほとんどディバーシファイド・テクニックであり、一般の方がカイロといったらまずこのディバーシファイドのこと
を思い浮かべると思います。いまだにディバーシファイドだけで治療しているカイロプラクターもいるくらいなわけで、中にはただ単に首や腰を捻ってボキボキ
させているひどい人もいます。
しかし、カイロプラクティックのテクニックは、それぞれに長所・短所があり一つのテクニックだけでは治療は完結しません。様々なテクニックを身につけ、そ
れを必要に応じて臨床で使い分けなければ治療の効果は高まらないでしょう。
今は日本でも様々なテクニックが学べる時代です。当院もSOTを中心としたカイロプラクティックの勉強会やセミナーに毎週定期的に参加し、患者さんに常に
ベストの治療を施せるように研究と修練を続けております。